卵黄の両端に付いている白いひも状のものはカラザといって、卵黄を卵の真ん中に吊り下げるハンモックのような役割を担っています。
よく、気持ち悪いからとカラザを取り除いてから食べる方がいらっしゃいますが、実はたいへんもったいないことをされているのです。
近年、カラザは良質のタンパク質であるだけでなく、シアル酸という抗ガン物質を含んでいることが分かってきました。ガン予防のため、是非カラザも一緒に召し上がってください。
本来、鶏卵は10℃以下の冷蔵庫で尖った方を下に向けて正しく管理すれば、産卵後一ヶ月以上保存可能です。しかし、なかなかその状態に保つのは難しいので、当養鶏場では採卵後2週間を目安にしています。
ここでポイントとなるのは、卵の賞味期限というのは、あくまでも生で召し上がることのできる期間だということです。パッケージ等に書かれている賞味期限が過ぎても、充分加熱調理すれば召し上がることができます。
とは言えなまものですから、できるだけ早く食べるに越したことはありません。
一般的に、コレステロール値が高いと動脈硬化になり易いと言われています。そして、M玉(60g)の卵一個の中には、コレステロールが0.23g含まれています。
しかし、コレステロール自体が体に悪い訳ではありません。
善玉コレステロールと呼ばれるHDL(高比重リポタンパク質)は、動脈壁などに余分なコレステロールがたまっているのを取り除いて、肝臓に連れ戻す役割を果たしています。つまり、善玉コレステロール値が高い人は余分なコレステロールが末梢組織にたまりにくいので、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞になりにくいと言えるのです。
また、悪玉コレステロールと呼ばれるLDL(低比重リポタンパク質)も、多くなり過ぎると血管内にたまって動脈硬化の原因になる場合がある、というだけで、絶対的に排除しなければならない物質という訳ではないのです。
卵には、コレステロールの約6倍(1.33g)のレシチンが含まれています。最近、このレシチンに善玉コレステロールを増やす働きがあることが分かってきました。
コレステロールだけにこだわってやみくもに卵を敬遠するのではなくバランスの良い食事と適度の運動を心掛けていれば、一日二個程度の卵は健康の元です。安心してお召し上がりてください。
赤玉の卵を割ると、ときどき赤っぽい小さな粒のかたまりが付いていることがあります。これは、肉班(ミートスポット)と呼ばれるもので、卵殻色素の粒子が集まったものといわれています。
食べても何の害もありませんので安心してお召し上がりください。
鶏の飼い方には、区画を仕切ってその中で鶏を自由に動けるようにする「平飼い(ひらがい)」と、狭い金網のカゴの中で飼う「ケージ飼い」があります。屋外の広い敷地で飼う「放し飼い」は平飼いの一種であり、近年大規模な養鶏場に見られるウインドウレス鶏舎(空調、光等全てをコンピュータで管理する、窓の無い鶏舎)での養鶏も、ケージ飼いの一種になります。
近年、「放し飼い」をセールスポイントにしている商品が多く出回っています。狭いケージの中で飼うよりも、ある程度の面積を自由に動き回ることができる平飼いのほうが、より自然状態に近い環境であるため、鶏にかかるストレスが低いと言えるでしょう。
しかし、平飼いの場合、産卵後すぐに鶏と卵を隔離できないので、汚れや傷が付かないうちに人間が集卵して回らなければならず、衛生管理が困難な上、人件費が掛かる分商品の価格も高くなってしまいがちです。
その点ケージ飼いは、卵に鶏糞等の汚れが付着しにくく、土壌の有害菌からも隔離されていますので、環境は衛生的で、経費も安く押さえることができます。
「ケージ飼い」と「平飼い」は、一概にどちらが良いと言えるものではなく、農場の規模や生産量等に応じてそれぞれの生産者が選び取って行く、選択肢に過ぎないのではないでしょうか。
ちなみに、鎌田養鶏では約8万羽の鶏(赤玉鶏と白玉鶏の両方います)をケージ飼育しています。鶏糞の除去は自動ですが、集卵は人間の手で行っています。毎日鶏舎内に入るため、鶏の体調の変化を敏感に感じ取って室温の調整等を行い、鶏がよりよい環境の中で産卵できるよう努力しています。
一番分かり易いのは、割ってみることです。
新鮮な卵は、卵黄とそのすぐ下の卵白に、充分な盛り上がりが見られます。少し古くなると、その盛り上がりがあまり見られません。更に古くなった卵では、卵白の盛り上がり部分と水っぽい部分の区別がつかなくなってしまいます。
殻付きの卵の場合には、水に入れると大体の見当がつきます。
透明で底の平らなボールに水を張って、卵をそっと入れてみてください。鮮度の良い卵は横になって沈みますが、少し古くなったものは丸くなっている方が少し持ち上がります。更に古くなると、丸い側が完全に浮き上がって垂直に立ってしまいます。
よく、ボールのフチやテーブルの角で卵を割っている方を見かけますが、この方法だと勢いがつきすぎて、殻が入ってしまったり黄身が崩れてしまうことが多いようです。
テーブルなどの平らなところに、軽くコツンと当ててみてください。ヒビの入った殻が内側の薄い膜にくっついたままになっていると思います。そこから静かに割れば、殻が入ったり黄身が崩れたりする心配がありません。
中身が多いという意味ではやはりLLサイズになりますが、いろいろなサイズの卵を割り比べてみると分かる通り、卵黄の大きさはどれもそれほど変わりません。全体における卵黄の比率が高いのは、MやLサイズあたりになります。
という訳で、卵白だけを使いたい場合は大き目のサイズ、卵黄だけの場合は小さ目のサイズを選ぶのが賢い方法だと思います。総合的には、やはり一般に多く流通しているMサイズかLサイズがお得と言えるでしょう。
卵の殻の色の違いは、親鳥の色の違いによるものです。白玉鶏は白い殻の卵、赤玉鶏は赤い殻の卵を産みます。
特殊卵(付加価値卵)の栄養分は、あくまでエサから移行させたものなので、赤玉であっても普通のエサを与えた鶏が産んだ卵の栄養価は、スーパー等で販売されている白い殻の卵(普通卵)と全く同じになります。
特殊卵には、ヨウ素を強化した有名なヨード卵「光」をはじめ、ビタミンAやドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)を添加したものなど、様々な種類があります。
鎌田養鶏の鎌田養生卵は、ビタミンEとDを強化した特別の配合飼料を赤玉鶏に与えていますので、卵の栄養価も普通卵に比べてビタミンEとDの値が高くなっています。また、エサに天然のパプリカ色素を配合しているため、黄身の色が鮮やかな山吹色です。
養生卵を産んだ鶏でも、しばらく普通のエサを与えていれば、殻が赤いだけで中身は普通の卵を産むようになってしまうのです。
鶏は、孵化から4ヶ月ほどで成鶏と呼ばれる産卵可能な段階に入ります。最初のうちはSサイズ以下の小さな卵を産んでいるのですが、鶏が大きくなるに従い、卵のサイズもS(46g以上52g未満)→MS(52g以上58g未満)→M(58g以上64g未満)→L(64g以上70g未満)→LL(70g以上76g未満)と変化していきます。
卵の大きさは、それを産む鶏の成長の度合によって変わってくるのです。
井土貴司『ボケを防ぐ卵のコリン 卵が持つ驚異的パワーのすべて』三水社
落合敏『食べるカルシウム・バイブル』日東書院
社団法人日本養鶏協会『もっと知りたい、タマゴで安心』
社団法人日本養鶏協会『たまごのおはなし』
中川嘉雄監修『ビタミン 効用と療法』日東書院